(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
中で、それらを拒絶して「白」であることを獲得した存在で
あることがわかる。
(余談になるが、このせめぎ合いこそが、「決闘」のシニフィエにつ
ながるのではないかと推測している)
B群は、A群を別の角度、すなわち、「他者」から、「白」を見据え
たものである。無関係であるが故に、他者からは「白」を認識でき
ない。関係の中で何らかの行為が「始まることはない」。しかし、そ
こに「白」はある。むしろ、そこにこそ「白」がある。
「白」とはそのような存在、あるいは概念だ。関係性として現れる
以前のものとして、純粋に存在するものが「白」なのだ。
C群は、「黒」との視覚的対比だけではなく、
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