(批評祭参加作品)原口昇平という名の色/いとう
 
葉に付随するイメージ。このシニフィアンとシニフィエ
が一体化したものがシーニュ(=記号)である。言語は記号なので、
すべての言葉はシニフィアン、シニフィエの両輪を伴っているとい
うことになる。


「色」の話に戻ろう。いや、違う。色の話をするのではなく、色と
いう言葉、色というシーニュについて話そう。あるいは「色の話を
する」という言葉のシニフィエについて話そう。

会話において、シニフィアンの一致はコミュニケーションの基礎と
なる。「りんご」と言われて「みかん」を思い出すのなら会話は不可
能だ。そして、シニフィエの相互理解がコミュニケーションの醍醐
味なのだろう。ここで
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