南房総ポエトリカル・アンソロジー その2/あおば
され、しばらく眺めていた。
公演の行われるホールも太い部材で構成されており、当時の建築費はどの程度かかったのだろうかとそんなことばかり考えて、彼の地では過疎化老化している現在でも十分な補修がなされているとするとそれは凄い経済力であるとも思い、作っては壊すを常とする我が風土との相違を知る。
シェクスピィア・カントリー・パークを一巡したところのカフェで昼食後、裏山のベンチに腰掛けてニイニイゼミの声を聞きながら朗読公演の開場時刻までぼんやりしていた。頭上方には伸び盛りの檜の枝が空に向かって広がり夏を謳歌していて外はかなり暑かったようで、歩くときの足下が少し落ち着かないが、室内にいるのは惜しい
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