光冨郁也詩集『バード・シリーズ』あとがき/葉leaf
 
の孤独は、人間である男にとっては厳しすぎた。そこで、孤独の純化を、動物的な孤独を備えた女を想像することにとどめたのである。男の孤独は、女の孤独へと、より純化される形で写像されているのである。男は、自分より孤独な存在である女とは安心して戯れることができる。女は社会性がないので自分を傷つけないからであり、女は人間的な交渉をしないからのちに自分を裏切ることもないからである。それでもときに女は自分の役割を超えて男の目を人間的に覗き込んだりする。男はそれを欲しながらも嫌う。

4.おわりに

 光冨の詩は禁欲的である。光冨自身が禁欲的ということもあるが、むしろ詩自体が禁欲的である。それは読者に絡み付
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