無造作に引かれた空の線。/元親 ミッド
 
の命や

恋のささやきが

いかに一瞬で在るかということを

思わずにはいられなかった。





僕らの見上げる空には

いつでも、どこに行っても

電線がはりめぐらされていて

そうしてそれは

離れてしまった、僕とキミとを

いまもどこかでつないでいる

そんな気がした。





朝のまばゆい青空は

夜中に人知れず降り続けた雨のことを

まるで何もなかったかのように

一言もしゃべらなかった。

ただ、鮮烈なる青さの中に

あっちへ、こっちへと

落ち着きなく引かれた
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