無造作に引かれた空の線。/元親 ミッド
の命や
恋のささやきが
いかに一瞬で在るかということを
思わずにはいられなかった。
僕らの見上げる空には
いつでも、どこに行っても
電線がはりめぐらされていて
そうしてそれは
離れてしまった、僕とキミとを
いまもどこかでつないでいる
そんな気がした。
朝のまばゆい青空は
夜中に人知れず降り続けた雨のことを
まるで何もなかったかのように
一言もしゃべらなかった。
ただ、鮮烈なる青さの中に
あっちへ、こっちへと
落ち着きなく引かれた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)