忘れることのないように。/元親 ミッド
悲しみや、寂しさが残されたのなら
その痛みが大きいほど
うん、うん。
僕らには、
同時に大切なものも
あるんだってことだから。
そうして
痛みは、続けば続くほど
それだけ
キミを
僕を
愛していたってことなんだ。
冷たい浜風に吹かれて
冬の海を眺めている。
風にたなびく、シーツのように
海面は静かに波打っている。
その色は、雪空を映すかのように
冷たい灰色をしていて
凍えるように、小刻みに震えながら
僕と痛みを
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