伊達風人詩集『風の詩音』栞/葉leaf
 
を越えて/何者にも遮られること無く/届いた この光を/君が いま/宇宙で初めて遮ったのだ//君よ/これが存在なんだ」伊達の詩は、すべてこのような直接性を志向している。「光」は愛でもあるだろうし認識でもあるだろうし言葉でもあるだろう。それが存在に宇宙で初めて直接に触れる。伊達にとって、詩とは、宇宙で初めて存在を直接感知するものであった。そして、詩は、存在を直接把握し、その存在の影をつくるために、何億光年という宇宙の真空を通過しなければならないのである。
 伊達の詩の書き方は、このように、余分なプロセスを省略し、存在に直接触れるために、逆に別の長いプロセスをとるというものだった。「ブランコを揺らすも
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