俺が死んだあとに訪れるものたちのことを生きてるあいだに教えてくれ/ホロウ・シカエルボク
間が笑顔で近づいてくるものだからこいつ誰だったっけと考えてみたが少しも思い出せずとりあえず挨拶してお決まりな感じの世間話なんかしてそれじゃあまたと別れたけれどそいつが誰なのかは結局判らずじまいで突然ここにいてもしようがないから家に帰ろうという気分になり信号を待っていたらすごくくだらない音楽をフルボリュームで垂れ流してる軽自動車が前を横切ってそういうとき俺はいつもなぜ今この手に金属バットを持っていないのだろうかという気分になり遠慮しない喫煙者とカーステをバカでかい音で流すやつらはみんな殴り殺していいという法律を一刻も早く作るべきだというガキみたいな妄想をしながら午前中まで降っていた雨で嫌な質感になっ
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