光/由比良 倖
 
でいく眼差し。
少女たちは少女を遊んでいる。肉なら幾らでも裁断してくれたまえだ。興味の無さを培養にして影絵の誘惑にも惑えず、私は遠い予感の中に身を崩してしまう。みんな忘れてしまいたいのです。私は私の境界だけになりたい。

涙の影が坂になり私は奈落へと融けていく。

朝から薬を使って眠る。優しさに衰弱してしまう錯覚。空からは離れていく? そう感じる。ぎゅぅっと瞼を押さえつけると、拡がり行く、薄まり行く空間に白光の卵子が拡散される。私たちは生まれていく。奇跡の海へ。あの人たち透きとおった藍色のミツバチが、花に群がればいい。

ここに立って見えるのは、廃墟だけだ。(僕はそれも好きだな。

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