光/由比良 倖
虹を浴びていると存在がくるくるまわる。自傷。叡智。笑い。堪えきれなくなる。きみどりいろの空。大きな大きな卵に温められた空色のことり。
コップ一杯の涙を電気会社に支払う。何度も何度も、√の形に区切られる私の心。分裂した泡状の空が、私には魚に見えない。フルーツを排水溝に押し流すと、私の底にある涙目の生命体が、ひと揃いの数列を差し出すが、それは吹き流しのように私の焦点からは身を躱してしまう。
さようなら、冬。笑いながら僕はほどける糸の泉になる。
あちら、こちら、に静寂がある。
歩む、さきざきで、死人が孤独を、拾い喰いして。
光に嘘も真もあるものか。(渇望がふやけ。)七色に千切れ飛んでい
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