いまだにどしゃ降りみたいな夜/ホロウ・シカエルボク
仮にそうだったとしても分けてやったりはしないけど
だって一晩のおやつにはもったいないくらいの値段だったんだぜ
ラジオの電池が切れてしまうと
ロック・シンガーは正しく消滅する
とっても寂しかったけれどそれでよかった
だっていつまでもなにかに頼ることなんて出来はしないから
一人で眠ることができれば
人生はだいたい成功してるとしたものさ
眠るために
音楽やテレビをつけっぱなしにするような真似なんかもうしない
一人っきりの人間は一人で眠ることを誇れなければ
だけど降ってもいない雨は未だ振り続けて
針金を入れられたみたいに心は固くなる
力をいっぱい込めれば
少し曲げることは出来
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