いまだにどしゃ降りみたいな夜/ホロウ・シカエルボク
 
出来るのだけれど
雨の軌跡が身体の内側にいろいろな模様をつくり
そいつらはまるで泣いているみたいな痛みをがなり立てた
煩くて仕方がなくて今夜はとても眠れないと思った
そんなことははじめから分かっていたのかもしれない
分かっていないふりをしていれば
何かが変わるのだと思っていただけかも
くだらないものを詰め込みすぎた胃袋がぐにゃぐにゃと喘いで
仰向けにぶっ倒れたら身体に降り込んだ雨粒がこぼれた
それでもちょっと羽振りのいい時に買った低反発のマットは少しも汚れたりしなかった
それが
今夜起こった出来事の中では一番完璧な出来事だったんだ
雨など降っていないのに
いまだにどしゃ降りみたいな夜なんだ




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