同時多発ツイート連詩【おいしい水を】 こひもともひこ・リミックス/こひもともひこ
だら大きな手の父でした。
川が好きな父でした。
朝の改札の濁流に取り残されていた。
ぬかるみを歩いたように、
靴は重く。
どこかに向かうはずの流れの中で、
ぼくらは帰りだった、
帰るべきだった。
騒音の中のほんの隙間に垂らした囁きを、
やがて染められていく、
てのひらに掬って。
折る前の指が愛しい。
小指を結んだ。
透明なひとしずくはつながり、やがてルフラン、流れとなって。
そうして未来を運ぶのだろう。
コンコンと湧き上がる、
そこなき魂たちの奔流を、
さあ船長、出発しようぜ。
世界はお皿の上に料理されてるんじゃない。
これから美味しくしてやろう。
ぐ
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