パス/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
「おまえに、足の横で蹴れって言われたのやってんだよ」
「足の先で蹴るよりいいよ、どんどんやろうぜ」
晴田に褒められた奥山は機嫌がよくなり、晴田の言うままにどんどんパスを送り込んだ。
晴田はひたすらパスの処理に熱中した。
やがて空の色がよどんできた。
二人が公園内の時計を見ると、練習開始から2時間を回っていた。
「暗くなってきたから帰ろうぜ」
「ああ、じゃあウチ寄る時なんか飲んでいけば」
「あんまり帰るの遅くなると、ウチの親怒るからなあ」
「いいじゃんちょっとだけ」
「んー、まあ行ったら考えるよ」
「うん」
二人は晴田の家に戻った。
一軒家で二階建ての、割
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