駆けだしのセーラーソルジャー/否々
 
ややかにしたたかに、ぐるぐる巻きのキャンディみたいに甘ったるくなってゆく。濃縮された甘い雫は、誰に向かって垂れているんだろう。モスバーガーでバイトしてた雪兎みたいなクラスメイト、雛鳥みたいな声で「ココアはおまけね」ってウィンクしてくれた。こりゃ敵わないです、先輩。撃ち抜かれた私はマシュマロといっしょに溶けてしまう。制服は戦闘服なんだわって気づいたのだけれど、使いこなしがまだまだ足りないみたい。
去年の11月、7番めに好きになった名前も知らない男の子は、ヘッドフォンからよくわからないテクノを垂らしながら、魚屋の前で子持ちししゃも指さして、「こういう女がタイプなんだよね」って照れながら言って、それが
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