【批評祭参加作品】偽善、または『紫苑の園』/佐々宝砂
 
った。そもそも「偽善」ってなんだろう。辞書をひくとこうある。

ぎ‐ぜん【偽善】
うわべをいかにも善人らしく見せかけること。また、そういう行為。「―に満ちた社会」←→偽悪。[ 大辞泉 yahoo!]

 私はしばしば偽善的だと言われる。外面が善人ぽいと偽善だと言われるのだろうか。私はそんなに善人ぽくないと思うのだけど。どっちかというと偽悪趣味の人間だと思うのだけれど。ほんとうにほんとうにごくごく素直にものを言うならば、私はもっと美しくかっこよく生きたいし、まわりをみぎれいにしておきたいし、誰も傷付けたくないし、まっすぐに立ってまっすぐにものを見ていたい。ずるはしたくないし、フェアでい
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