山本太郎詩集 現代詩文庫を読む/葉leaf
 
な醜い人間を神はなぜ生み出したのか?」という問いの前提であると仮定しましょう。ところが、この詩には、「永劫蠕動」「コノ俺ハ失セテシマイ」という語句が見受けられます。これは、もはや問うことすらあきらめている、仮に答えを聞いたところで何にもならない、そういう山本の態度の表れではないでしょうか。問う主体である俺も消えてしまっているし、理由が何であれ人間は永久に苦しまなければならない。問いには、常にその問いに対する答えへの反応もあらかじめ含まれています。人は何かを問うとき、その答えを予想し、その予想された答えに対してあらかじめ反応してしまうものです。
 だから、山本の詩は、問いの前提として、あらゆる存在
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