山本太郎詩集 現代詩文庫を読む/葉leaf
は、発話者と「あなた」の間の閉ざされたコミュニケーションです。ですが、「わが市にはこんな問題がある」の部分は、問いかけの前提として、そこから問いかけが誰にでも向けられていくのです。山本は、このように、人間の問題を詩として提起した。その人間の問題を前提として、「ではあなたはどう考えるか?」という問いは、すべての読者にも同時に投げかけられているといえるでしょう。山本には問いかけの身ぶりはありますが、問いかけの内容や問いかけのあて先は白紙のまま読者の前に投げ出されています。読者は山本の提起した問題をもとに、問いを自ら想定し、それに対して答えを返していきます。
さて、この「蛇蝎の唄」は、「このような醜
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