山本太郎詩集 現代詩文庫を読む/葉leaf
 
いなければならない。
 俺はその神に、存在の悲しみを「問わ」なければならない。
 「問い」の仕事をはじめるべきだ。こんどはあわてず、ゆっくりと、神に届く言葉で。
 (「詩論序説」より)

 山本は、このようにして、存在の悲しみを神に問うために詩を書き始めたと言っています。ところで、「存在の悲しみを神に問う」といっても、問いの在り方は多様にあるでしょう。なぜ俺は悲しまなければならないのか。そのような悲しい俺はなぜ存在しているのか。神が俺を苦しんでいるのだとすれば、なぜ神は俺を助けないのか。そして、苦しむ神に助けてもらうには俺はどうしたらよいのか。ですが、山本がその詩で行っているのは、いわば
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