我がうちなる銀河を低空飛行する/五十嵐 敬生
査、
爆心地の柵の外は、
壁だ! 壁だ! 壁だ!
壁だ! 壁だ! 壁だ!
(内面の地獄に建設される肉の首都よ)
燃える送電塔、柵の中で燃える送電塔。郊外の小さな駅のホーム。歩行は一時停止して復活の準備。
罪、発生の罪。ああ、罪とは何だろう。「お願い危険ですから柵の中に入らないで下さい」柵の中の罪人は罪状否認のまま急いで土手を下りていった。
植物の呼吸を浴びて
発熱する水鳥の影は
土手に横たわるぼくの死体
<ああ、緑、緑、緑吹く小さな川のほとりよ>
終身刑に服しているのは聴覚に残された…………。
言葉の腐敗を終えて
変形した銀河
銀河の壁にたちこめ
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