遺書にはならない足跡 2/セグメント
った。やはり、私の何を話せばいいのか、また、話してはいけないのか悩んだし、初対面に等しい人間が少し私の話を聞いたくらいで何を分かってくれるのかという疑惑もあった。そのせいか、最近になって言われたのだが、通院始めの頃の私は、かなりとんがっていたらしい。しかし、あまり記憶にない。
この病院には曜日ごとに別の医者がいるのだが、土曜日の医者が私には合っているような気がすると思い、以降、この医者を主治医とした。初診はこの医者が診てくれたのだが、曜日ごとに医者が違うと知らなかった私は、別の曜日にも受診してしまった。その医者からは、次の患者がいるからもういいかな、もう十五分も話したし、などと言われ、非常に私
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