遺書にはならない足跡 2/セグメント
体と脳なのに、別人の感覚が入り込んで来るのだから。
男性と恋人は、割合、仲良くなったようだった。
現時点で、私が多重人格者のような存在である事実に、恋人が引いている様子はない。悪い意味ではなく、面白がっているのだろうか。かくいう私も少し、少しだけだが面白くなって来ている。最近では、生活に支障を来たすような、解離や人格交代が起きないからゆえの、束の間の休息なのかもしれないが。
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最近では、人格交代や解離はなく、落ち着いた状態が続いている。しかし、去る今月の十五日、メンタルクリニックに行く際、電車を待つ間や電車の中で涙がこぼれてしまった。メンタルクリニック内の待合室でも悲しく
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