遺書にはならない足跡 2/セグメント
 
取り除けば、症状は緩和、あるいは完治、あるいは落ち着くだろう。けれど、そんなに簡単にいかないことは、私自身が、もう分かっている。
 投薬で、緩和は出来ているのかもしれない。だが、何かしらのきっかけがあればパニックや多重人格のような症状を起こすし、きっかけなどなくとも、毎日が漠然と不安で恐ろしい。ここまで「毎日」というものが怖かった頃はない。実家にいた頃や、環境の良くない職場にいた頃の方が「毎日」は格段につらかったと思うのだが、「毎日」は、今が一番、恐ろしい。
 ――最近、恋人とのすれ違いが多く発生するようになってしまった。出会った頃、互いが互いを好きだと認め合った頃は、もうひとりで生きていかな
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