明日もないし帰る場所もない/ホロウ・シカエルボク
そこから現れるひとつの死の形になにも嘘はないような気がした、俺はもう一度動画を始めから終りまで見た、俯き加減で入ってきて、シャツの裾に手を伸ばしたとたん吹き飛ぶ彼のことを…俺はそれに何か名前をつけようという気になった、だけどなんとつければ一番しっくりくるのかどうしても分からなかった、だって俺は日々の仕事でくたくたに疲れていたし少し酒も飲んでいたから…酔いは醒めていたけれどもうそんなこと考えられるような状態ではなかったのだ
明日の朝は早いのだ、ブラウザを閉じてパソコンをシャットダウンして寝床にもぐりこんだ、明日の朝4時にアラームをセットして…まったく、前の日の夕方に突然早朝入ってくれなんて狂ってる
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