夢を描く/MOJO
 
フィーチャーした作品を書き上げ、おずおずと投稿してみた。いくつかの好意的な批評と、否定的な感想が付き、私は興奮した。
「これは凄いぞ。新しい遊びを発見したぞ」
 それが四十代の始めであった。
 以来、十余年、競作祭りで優勝したり、書けない時期が数年続いたりしながら現在に至るわけだが、書き続ける理由は、特にない。強いて云うなら、老後の手慰み、として考えている。この十年はあっという間であった。次の十年はもっと早いであろう。すぐにお爺である。家族を持たぬ主義の私は、魚釣りや盆栽を趣味にする老人のように、創作文芸を趣味にして、孤独を紛らわしたいのである。
 もちろん、公募へ応募する野心もある。どう
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