オマージュにオマージュ/佐々宝砂
る少年の姿を、たぶん愛でることができる。みつべえさんが引用している部分を読んだら、「逃亡者」の全文を読みたくなった。
でもって次「風のオマージュ2」の村野四郎。私はこのひとの「体操詩集」がうんと好きだ。簡潔で、力強いから。でもみつべえさんはそんな当たり前のことはとりあえず書かない。学生時代のなかなか笑える経験から書き起こす、その筆致が私はすき。なるほど、「体操詩集」をクイズのように出されたら、知らなきゃ意味がわかんないよねえ。詩はクイズにもなるんだ、と私はかつて「さるれと」の中で書いたが、まさかほんとに詩でこういう設問をつくってしまうひとがいるとは思わなかった。世のなかにはいろんなひとがいる
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