文芸の社会的意義についての提言/るか
意義と、歴史を貫通して持ち続ける本質的な意義とがあるだろう。果たして文学芸術の本質的な意義とは何だろうかがそこで問われ、そこから、現在において、総体として文学芸術はその意義を充分に果たしているか、果たしていないならそれを阻害しているものは何か、個々の作品について、ジャンル的本質からみて、成功しているか失敗しているか、そうした価値判断が可能になる。勿論、価値なんていらない、誰かに聴いて欲しいことがあるんだ、それも文芸の本質的機能の一端である以上、確保されるべき動機であることは、念のため付言させて頂きたい。
さて前述したような文芸の近代的また本質的なテーマ、倫理性であるとか、人間とは何か、心とは
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