ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
 
転する、そして、きみや、彼女や、父親や母親の運命をどこかへ追いやったあの夜へと繋がる


あの夜きみが考えていたことはどんなことだったのだろう?あの夜の少しあとから、きみはずっとそのことを考えていた、なにか大切なことが、あの夜きみの胸の中にはあったはずだった、だけどそれはどれだけ考えても思いだすことが出来ないのだ、あの時、きみが手にした刃物で少しずつ削られていったロザリーという愛おしい生物、きみが指先に感じた赤い液体の温かさ、それが肘の方へじっと流れてゆく時のくすぐったさ、言いつけ通りにじっと口をつぐんで我慢していたロザリー、涙を流して…カタカタと小刻みに震えていた可愛い妹、温かさがだんだん
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