ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
 
きしめて喜んだ


そのうちロザリーが母親の胎内に宿った
きみは母親のお腹が大きくなっていくのを興味深く見つめた
そして言われるがままにお腹に耳を当てて
そこで何かが動いていることに腰が抜けるほど驚いた
それは、妹というものだった
きみはとても長い間
妹が出てくるのを待っていた
妹が出てくるとき
きみは父親と一緒に
街の小さな病院の廊下で待っていた
ときどき看護婦が部屋から出ては
ぱたぱたとなにかを取りに走った
もう随分経ったな、と父親が言ったそのとき
一番年上の看護婦が父親を呼んだ
きみは父親について行った
生まれたばかりのロザリーの泣声が聞こえた
すごい、
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