ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
 
た、でも目を開けることも出来ず、身体を動かすことも出来ず、声を上げることも出来なかった、それがいまのきみだ


回想が終わるときみは、一日中ずっとゲームのあとの世界を想像して過ごした、きみだけの世界の中できみとロザリーは水が流れるように成長し、学校に通い、友達と遊び、家に帰ると小さな中庭にある木の幹に二人でもたれて座って、学校のことを話した、勉強を教え合うこともあった、それから恋の話をしたりした、ロザリーはきみよりも先に恋をした、同じクラスの目立たない男の子だった、きみはロザリーに少しやきもちを焼いたけれど、おにいさんなのだからそのことはロザリーには絶対に悟られないようにした、そしてきみに彼
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