ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
 
が大好きだったから、彼女は声も出さずずっと耐えたのだ、ロザリーのことをもうときみは痛みなど感じなかった、痛みなど少しも感じなかった、ただなにか、傷口が増えるたびに穏やかな火で炙られたみたいな熱さがそこにあるだけだった、きみの顔にはいつしか笑みが浮かんでいた、ロザリー、ときみは話しかけた、ほらごらん、ぼくはお兄ちゃんだからこんなことしたって少しも痛くないんだ、ほら、凄いだろう…なんとか言えよ、ロザリー―きみのゲームは懐かしい生家に夜が訪れ、また去ってゆくまで続けられた、きみは次第に夢見るような表情になって、部屋の床はあの時と同じように血にまみれた…いや、あのときよりもずっとずっとたくさんの血で染めら
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