ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
みにだけは見えた…ロザリー、ときみは叫んでコートを脱ぎすてる、拭いきれなかった血がこびりついて煤けたような色になった床の上にそれは落ちる、
「僕の番だ、ロザリー!」
きみはそう叫ぶと、ナイフを出して、自身の身体を傷つけ始める。まずは小さな浅い切傷、それよりは少し深い傷、それから浅い刺傷、それよりもう少し深い刺傷…えぐるように、ねじるように―ロザリーの身体に刻んだ無数の傷のことをきみはすべて記憶していた、どんな順序でそれを刻んだのかということも…こうして身体を切り刻まれながら、ロザリーはずっと耐えていた、目に涙をいっぱいためて…なんてかわいい妹だろうときみは思った、きみのことが大
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