ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
きみはまず両親のいる部屋を覗き、ただいま、ともう一度言った、誰かがお帰りというのがきみには聞こえた、もちろんそこには誰も居なかったのだけれど…それからきみは台所へ行って、椅子に腰を下ろした、テー部に並ぶママのごちそうがきみには見えた、きみはそれをひとつつまんで食べた、現実にはそれは虫の死骸だった、おいしい、ときみは言って、にこにこしてから勢いよく立ちあがり、二階への階段を駆け上がった、きみとロザリーの部屋だ―いまでは誰の部屋でもないけれど―きみは部屋へ続く階段を上った、ロザリーの名前を何度も呼びながら…部屋のドアを開けると、血塗れの姿で嬉しそうにこちらを振り返るロザリーの姿がきみには見えた、きみに
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