ジョーイ/ホロウ・シカエルボク
思った
だけど起き上がれなかった
次に声を出そうと思った
でもなにも言えなかった
いろんな人がやってきては
きみにいろいろなものを繋げて去って行った
「ねえ、こんなものいらないよ、邪魔なだけだよ、全部外しておくれよ」
きみはせめて身ぶりだけでもでそういう気持ちを伝えようとしたけれど
指先の一本も動かすことは出来なかった
どれだけやっても駄目だったので
きみはとりあえずされるがままになった
きっとそのうち、ちゃんと目が覚めれば
動けるようになるんだろうとその時はそう思っていたから
みんなはきみが石のように眠っていると思っていたから
きみのすぐそばできみについての
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