朝を待つ/コーリャ
 
いてる。などという。口笛もふいていく。


 /そのあいだに朝を待つ。冬の遅い日の出を待つ。さっきから海沿いの舗装道路に整列して彼らを眺めていたマネキンたちは。なにかの合図を待ちきれずにいっせいに汀に駆け込みはじめる。 車の通りがおもむろに増えて戦車がクラクションのかわりに空砲を打ちはじめる。それに驚いた飛行機はウィングをなくしたからそのままの加速度で溶いた雲につっこんでいく。朝の早いキャンディ屋がたくさんの飴を投げ込んで塩飴をつくってる。それをじっと見てるだけで。隠しステージにいけるような模様の空飛ぶ絨毯が。誰かの手紙をばらばらと捨てにくる。 また朝が始まろうとしてる。もう世界とは呼びたく
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