叙事詩??物語・詩??/……とある蛙
 
  
           一片の雲が現われ
固く、白く、ためらっている、四角い空のなかで。
怯えた家並と群がる丘に気づく、風のなかで
透き徹ってゆく一切に。散りじりに風のなかへ
滑ってゆく小鳥たちが見える。あの川に沿って
進む安らかな一体隊は、誰一人として
小さな雲に気づかない。

         いまは虚ろになった青空が
短い窓のなかにある。そこへ落ちてくる
小鳥の叫びが、ざわめきを打ち砕く。あの雲は
梢に触れたのか、それとも流れのなかへ降りたのか。
草原に横たわった男はそれを感じているだろう、
草の溜息のなかで。だが眼差しは動かずに、
草だけが動いている。死ん
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