呟き 詩と世界の等価性のことなど/るか
 
が、古代ギリシャの思想家たちや、孔孟、諸子百家、仏陀といった存在が都市文明の成立と分かち難いものとしつつ、それらの傾向がいわば集約されたものとしてイエスキリストを考察している。教会の外部の研究者たちの杜撰さには、教会や神学サイドから激しい批判も挙がっているが、誤謬に塗れていたとしても、なかなか興味深い一視点ではある。


勿論、人生や芸術を真理の一点に奉仕させる立場には批判もありうる。生活する人としての人道や倫理の面からみてどうなのか、プラトン以来の形而上学への、近代科学的な立場からの批判、唯物論的批判、等など。事実、知ることの可能なかつての詩人たちのなかに私は、明朗闊達、高潔にして世間から
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