がらくたくだり/ホロウ・シカエルボク
いて、自分が打ち込んでいるものをぼんやりと目で追っている。これはおれの告白ではない。だからもちろんおれの心情でもない。現状でもあるはずがない。これはただの暇つぶしのようなものだ。なにかを書かなければいけないと思うとき、おれはこうしたことを気が済むまで書き綴るのだ、そういう感じって判るだろ?本当はこんなものに心なんか存在しちゃいけないんだ。書き綴られるものには絶対に本当のことなんか語ることは出来ないからさ。おれたちはただ、近づこうとするだけだ、自分が大切だと信じているものに。こんな夜に相変わらず自分を生かそうとしているものに。長く呪うような雨が好きだ。
おれが今住んでいるところは繁華街が近
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