遥かな灯/ただのみきや
 
悪いのかと問い続ける
「誰も 助けてくれない」 恨みがましく呟いて

涙で滲んだ目に星が瞬き

瞬き やがて星よりも低いところに

灯り 消え 灯り
  ――見つけたのだ
          灯台を! 

ゆっくりと 確実に
ひとかき ひとかき
微かに 微かに 光は近づいてくる
息は荒いが 笑みがよみがえる


    「 そうだ平等も不平等もない
      誰かに任せる訳にはいかない
      自分で見つけて自分で選ぶのだ
      どんな結果が待っていようと

      もしも地に足がつくところまで
            たどり着けたなら
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