日々の雑感/るか
 
うな異様な、過剰な体験として訪れた感覚である。自然の完全さのなかで、自分が一人きりであって、しかも余りにもみすぼらしく、罪深い汚点のように思え、涙を流した。それは、ある種の宇宙的な孤独の体験の片鱗であったのかも知れなかった。思春期特有の、感傷的な精神であったのかもしれず、現在の病の兆候であったのかも知れない。離人症的な感覚が頻発する時期でもあった。

 

ニーチェ、永遠回帰の思想に触れた時にも、驚愕すべき体験に襲われ、昂奮して叫び出したことを覚えている。それは雪のなかの読書体験だった。思想が身体を落雷のように貫き、意識なり脳なりを宇宙的なものが溢れんばかりに広がるような、全く驚
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