『子ども達』/永乃ゆち
、この隣で寝る人は
「子どもはいらないよ」
と言ってくれる。
これも幸せという事なんだな、と思う。
けれどわたしは、この人を裏切っている。
わたしの心はもうずっと前から他の人のものだ。
片思いではあるけれど。
隣で寝る人は、それでも良いと言ってくれる。
けれどきっと傷付いている。
わたしは『幸せ』の上に胡坐をかき
『優しさ』につけ込んでいる。
生きているだけで、誰かを傷付けているのなら
いっそ命を捨ててしまおうとしたが、失敗に終わった。
『生きてるだけで良い』
そんな事本当にあるのだろうか。
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