イレギュラー・バット・トゥルー/ホロウ・シカエルボク
かり出来あがってしまうのだと言うように、そしてそれは実際にそうなのだ、だからこそそんな言葉がひとくちでは言えないほどの理由を持ってあらゆる場所に浸透してしまう、いつだってひとは考えているはずだ、あのとき、と、あのときああすれば、こうしておけば、などと、過去の失態を何度も反芻しているだろう、そしてそのときがもう一度おとずれることがあっても、それはほぼ絶対にあのときと同じ結果を呼び寄せるだろう、そうしてあのときばかりが積み上げられてゆくのだ、生きた時間を三倍は超えるだろう「あのとき」で出来た地層からは、ひとを落ち込ませる部屋の壁紙のような色ばかりが見えるだろう、それをおまえも見ているのだ、疲労をゆっく
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