アスピリン・ソング/由比良 倖
あなたの言葉なんか、私の視界の中で、何だって、否定的に中和してやる、
あなたの言葉なんか、みんな一瞬で、ただしく抹殺してやる、
そうしてあなたに向けられた全ての言葉の中で、
あなたは分裂に分裂を重ねて、あなたにはあなたが、もう見えない。
そうだな、私はそうは思わない、
私はそうは思わないよ、
あなたはただそこで、ただ立ち尽くして経過に馴染んでいけばいい、
視線だけが、視線の内側から始まり続けててさ、私たちを取り巻く日常言語の中で、
いつも私たちは外部だ、それでもたまに僕たちの視線がかみ合うだろう?
世界のすみっこで、いま僕が産まれて、いま君が産まれて、
たまたま一
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