続・田村隆一詩集 現代詩文庫を読む/葉leaf
ったら、とても生命がもたないですね。外的なものをもつということは、だから一つのぼくの健康法だろうと思うんですけど、それはしかし、ただ易きについたわけではないんですよ。現実的な手がかりを得ることによって、もっと違う深みが見つかるのじゃないかというようにぼくは思ったわけです。
「恐怖・不安・ユーモア」より。現実というものは、何よりも一番存在することが確かなものです。そこには家族もいれば友人もいれば住居もあれば生活もある。何よりも、自分自身のありのままの姿がある。その現実の手触りはとても温かい。現実と触れていることは、あらゆる生活の事物と無意識的・意識的な結合関係に立つということであり、人間を安
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