首都高/AquArium
 
世界一僕を愛している君の
大きな手が
見えなくなっていく

ねえ、
さっきまで青白く
光っていたスカイツリーが
白の円盤だけになったこと
残念がってくれましたか?

左耳のピアスの模様とか
左手のブレスレットの珠の数を
焼きついてしまうくらい
見つめていたことに
気づきましたか?

それくらい

この景色は
特別で
もったいなくて
僕だけのものにしておきたくて
夢中で
夜景を撮り続けていた

でも

君が
どこまでも
冷たい風になって
ついに追いついたPA
飛ばされそうになる
小さな身体が
憎いや

ねえ、
もっと
もっと何
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