都市の予告/takano
 
夜をとわず自慰にふける 

液晶の粒子たち

(この都市なる空隙の実相)


アスファルトの亀裂に芽生える種子たちよ

あなたはそこでむくわれるのか

あなたは 触れたとたんすくんでしまう黒い湿潤のよどむ地平に 傾いだ眼差しをむけている

あなたが育つ都市の土壌は青く無機質だ

どんな死に向かい どんな笑顔をうかべ散ることだろう


かしいだ雑居ビルの日陰の割れ目で そんなあなたに目をとめるものはだれか

風雨のはきだまるビル群の谷間には 都市で生成されたあらゆる負性の残留物がおちてくる

都市でわすれさられた その禁忌の囲鐃地に足をふみいれる旅人さえと
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