美術館に犬を侵入させてしまうということ。/ツ
ある。
権力を手にしたものはどいつもこいつも国家を形作ってきた。
そして、しかし国家が国家で在り続けるためには、その歴史(記録)が必要なんだという(たとえそれがつくられたものであっても)。
近代的な美術館や博物館てのはそーいうものを、犬やカビから守るためのシステムでもあるんですね(それでも戦争や災害で失われてきたし、どうしたって誰もエントロピーの増大則からは逃れられないだろう)。ある記録が残されること、それが守られ広く未来に開かれていること。素晴らしいとおもう。ほんとうにそうおもう。
もちろんそれは美術だけに限らないし、たとえば"枕草子"から推測するに、昨今と比べても平
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