夏の夜/ホロウ・シカエルボク
帰るべきところへ
だけどきみは
そこに
座り続けるだろう
本当に足りないひとことを
はっきりと
そのこころにとらえるまで
ああ
きみは
最後の最後まで
ぼくを圧倒したままで
終わろうとしてるんだね
ナイトライトたちが
不自由な蝶みたいに
飛び交う週末の繁華街
その外れで
ぼくらは分断されて
ぼくときみになる
突然
だれかが缶ジュースを買う
音が
暴力のように響いて
きみは
すこし身をふるわせる
だいじょうぶだよ
昨日までなら
そう言うのは
ぼくの役目だった
つぎの言葉なん
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