喚く死の影のエコー/ホロウ・シカエルボク
覚ましてしまった、仕事に出かける時間だったからだ…もう十年近く前に見た夢だよ、あの女はいまでも俺の頭の中で、繰り返しぶちまけている…なあ、あんたたちはこういうものを読むとどんなふうに感じるんだ、あんたたちは、俺が死にたがっているみたいに感じるのだろうか、俺が失望して、絶望して、打ちひしがれて、この世から逃れたがっていると…そんな風に感じるのだろうか?違うぜ、違うぜ…前に書いただろう、俺は、生きている資格を問われているだけなんだ、誰にだ…誰に問われているのだ…俺自身さ、そうだろう、分かるだろう…俺は死の直前まで生に執着する餓鬼だ、最後の瞬間まで生き延びることを考えて、遺言すら残さずに死ぬようなやつだ
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