匿名遊戯/雑魚ヒロシ
霊魂の純粋さを失わずして被昇天せし乙女の眼差しをときに疎ましく思う罪状
御霊代へ其の死のもたらした美的感傷を如何に伝えようと欲してのち生者の身勝手さに恥じ入り口をつぐむ或る日の夕暮
海岸線を走る電撃は丸で既知者の如く図面通りの六道を描き静寂を望む都市は氾濫する生命の過剰に苛立ちそつと殉死者を招き入れる
ゆるりゆらゆら水底にほんのり色めく白玉椿たちのぼる息艶めいてな触れそ触れそ柔肌に来し方見ればすす泣くは翅をもがれた山繭蛾
弐
毎週末繰り返される型通りの儀式が退屈だと言うので神父が神の御加護をと言った時にsemenと返してみたら如何と言う
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